東日本大震災からまもなく8年が経過しようとしている。「震災を忘れないでほしい」との思いから、震災当時の写真を集めた企画展が今年も開かれている。
8日から山形市の文翔館で始まった企画展は、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市を支援しようと、出身者などで作る「やまがた気仙沼会」が5年前から毎年開いている。会場には、気仙沼の新聞社「三陸新報社」が撮影した写真パネル63点が展示されている。
やまがた気仙沼会会長の武田満さんは高校を卒業するまで気仙沼に住んでいた。震災発生から2週間後にかけつけた故郷の変わり果てた姿は、今も克明に思い返せると話す。
（やまがた気仙沼会・武田満会長）
「（石油）タンクが壊れて地震で海に流れて、それで火が点いて燃えている、普段海が燃えているって考えられない。これがやっぱり震災の恐ろしさ」
大型漁船が沿岸部から1キロ以上離れた鹿折唐桑駅近くまで流された写真もある。あまりにも現実離れした出来事が、この日は至る所で起きていた。そして翌12日の三陸新報社の紙面。震災発生から2日間、新聞を発行できず、市販のA4の紙に印刷し号外とした。
（やまがた気仙沼会・武田満会長）
「建物もみんな流されてなくなって、多くの人が亡くなって、これが震災なんだということを写真展を通じて訴えていきたい」
この記録写真展は12日まで開かれている。